振袖を着る機会はそれほど多くはありませんが、綺麗に見えるように着こなすことでよい印象を残すことができます。綺麗に見える着こなし方には、襟元や帯周りなどさまざまなポイントがあります。ここでは、綺麗に見える着こなし方について、ポイントごとに解説します。さらに、振袖を着たときの振る舞いについても取り上げます。
襟元や帯周りに注意して着こなしてみよう
まずは襟元をチェックしてみましょう。襟は喉のくぼみを隠すように合わせることがポイントです。帯のつけ方も綺麗に着こなすために見逃すことができません。帯の高さは脇下で合わせるのがベストです。なぜなら、振袖の帯は高い位置で締めると若々しく見えることが多いからです。帯を固定するのに用いる紐である帯締めは、帯のほぼ中心の高さになるように結ぶようにします。
そして、帯締めの中心を襟元に合わせるとよいです。おはしょりの長さも着こなしでは重要なポイントとなります。おはしょりとは、帯の下に着物を帯と平行に畳んだように着付ける部分のことをいいます。
おはしょりは、6㎝から7㎝程度出しておくと、全体的にバランスが取れて綺麗に見えます。振袖のような着物を羽織ると、どうしても自分の正面に見える布の境界線ができます。これをおくみ線といいますが、これを一直線になるように合わせることが肝心です。着物サイズが合っていないと、おくみ線がずれることがあるので注意が必要です。
袖や裾や後ろ姿にも気をつけてみよう
手首の付け根あたりに袖が来るのがちょうどよい長さといわれているため、サイズ選びは慎重に行うとよいでしょう。裾の長さに関しては、足の甲ギリギリあたりに合わせるようにしますが、左から右へ少し上げるようにする足元が美しく見えるといわれています。
後姿を美しく見せるために、衣紋の抜け方にも注意します。首の付け根から後の襟山まで、こぶし1つ分の開きがあると綺麗に見えるのでおすすめです。
振袖を着ているときの振る舞いも大切
振袖の着こなしは着物そのものだけではなく、着た後の振る舞いも重要なポイントです。なぜなら、立ち方や座り方や食事作法などで、粗雑な動きを見せてしまうと着崩れの原因となってしまうからです。まずは着物を着用したときの姿勢ですが、背筋を伸ばしながら軽く内股気味になるように足を組んでつま先を軽く前後にずらすとよいです。
また両腕は軽く曲げながら、帯の下あたりで自然に重ねることで優雅に見せることができます。椅子に腰掛けるときも、背筋を延ばしながら帯が潰れないように浅めに腰掛けることがポイントです。着席したときの振袖の袂は、そのまま重ねながら座った膝の上にかけるように置くようにします。
もし正座するときは背筋を伸ばして両足を揃えて、立ち上がるときは裾を踏まないように気をつけなければなりません。場合によっては階段の上り下りをすることもあるでしょう。その際は体を少し斜めに傾けることがポイントです。袖は床につけないあたりまで持ち上げ、裾は上前を軽く持ち上げるようにします。
車に乗るときは、お尻から上品に座ることが肝心です。このときに椅子に座るのと同様に、背もたれに体を預けないことが重要です。なぜなら、背もたれに寄りかかることで、帯が潰れてしまうからです。車から降りるときは、両足を揃えてスライドさせて、地面に着地します。このときに頭をぶつけないように上部に注意しながら、ゆっくり降りるようにしましょう。
振袖を着る前には、襟元や帯周りだけではなく袖や裾など、綺麗に見せるためのポイントはたくさんあることは知っておくとよいでしょう。しかし、せっかく上手に着こなせたとしても、立ち振る舞いが粗雑だとかえって悪目立ちしてしまい、振袖が台無しになってしまう可能性があります。背筋をしっかり伸ばしながら、上品に振る舞うことが綺麗に見せるためのポイントです。細かいマナーがたくさんありますが、それらをしっかり覚えて自信を持つことが肝心です。そして、振袖を着こなすワンランク上の女性を目指してみましょう。