みなさんは無断で知人が一諸に写った写真をSNS上にアップしてしまった経験はありませんか?本人の許可がない撮影やSNSへの投稿は、相手が不快と感じれば「フォトハラスメント」になります。賠償金請求や名誉棄損として刑罰が課せられることもあるのです。トラブルを避けるためにもぜひ、フォトハラスメントについて学んでおきましょう。
フォトハラスメントとは
フォトハラスメントは写真(フォト)と嫌がらせ(ハラスメント)を組み合わせた言葉で、無断でほか人を撮影したり、撮影した他人の写真を無断でSNS上に公開したりする迷惑行為です。昨今、気軽にスマートフォンで写真撮影できるようになったことや、SNSの普及により、フォトハラスメントの問題が大きく取り沙汰されるようになりました。何気なく行った撮影や、本人に悪気がない写真投稿であっても、相手が不快に感じればフォトハラスメントになる場合があります。気の知れた仲のよい友人関係、同僚、さらには親族であっても、思わぬトラブルに発展することもあるので注意が必要です。
フォトハラスメントによるトラブル
写真のSNSへの投稿によって相手がトラブルに巻き込まれてしまったり、人間関係が悪化したりと他人だけでなく本人まで被害がおよぶこともあるフォトハラスメント。具体的にはどんなトラブルが起きているのでしょうか。
個人情報の漏洩
写真の背景に写る建物、標識などから個人や撮影した場所や時間などを特定できる場合があります。SNSの写真に写る本人以外の人物を、友だちリストから探し当てて個人を特定したり、プライベートな情報を手に入れたりすることは難しくはありません。自分の情報だけでなく、一緒に写る人の情報も広めてしまう可能性があります。
広めたくない情報の拡散
「有給を取って旅行に行ったことを会社の人には秘密にしていたのに、SNSにアップされバレてしまった」といったようなケースから、写真の掲載の許可を得た場合においても「ひどい顔の写真を投稿されたせいでみんなに笑われた!」と不快にさせてしまうというケースまで、さまざまです。
自らの人間関係が悪くなってしまうだけでなく、他人の人間関係にも影響を及ぼすことがあるでしょう。また、タグ付け機能により多くの人に見られたくない写真や、知られたくない情報が拡散され、削除した時には手遅れということにもなりかねません。
写真が悪用されてしまう
SNSにアップした写真が出会い系サイトなどのプロフィール画像として勝手に使用されてしまったという事例があります。また、子どもの写真が「デジタル誘拐」に利用されることもあるので充分警戒しましょう。デジタル誘拐とは、別人が親になりすまして子どもの写真を無許可でSNSに投稿する行為です。子どもの顔や名前といった情報から誘拐やストーカー事件に巻き込まれるリスクも高く、情報を勝手に広められてしまう行為です。
写真に関するルールや守るべきポイント
フォトハラスメントの当事者にならないためには、撮影時や投稿に関して常識的な行動を心がけ、ルールを守る必要があります。まず写真に写っている自分以外のものについては、投稿しても問題がないか、事前にチェックすることが重要です。
また、写真をSNSに投稿する際には一緒に写っている人の許可を得ることが、フォトハラスメントを防ぐ最善策といえるでしょう。勝手な判断で投稿することはトラブルを招くことになりかねません。
さらに、気をつけたいのが他人の子どもの写真。我が子の写真をSNSに投稿している方は多いと思いますが、個人の特定や写真の悪用を避けるために、顔を公開していない方が多いのではないでしょうか。「自分の写った写真は投稿されても問題ないけど、子どもはだめ!」という考えの方もいます。
そこで、他人が無断でその子どもの顔を公開してしまったら、相手は不快な思いをすることになります。web上で公開された写真はスクリーンショットなどで保存されれば、投稿の取り消しだけでは完全な削除は難しいでしょう。削除までのわずかな時間にも大勢の人に拡散されてしまうリスクもしっかりと考えなければなりません。
まとめ
フォトハラスメントにあたるか、そうでないかは人によって判断基準が異なります。喜ばれると思ってしたことが、相手にはそうでないこともあるため、撮影やSNSの投稿時には気を付けたいものですね。楽しい瞬間を思い出に残し、ほかの人とも楽しい気持ちを共有できる写真。気軽に撮影した写真からトラブルが起きてしまわないよう、フォトハラスメントへの対策をとった上で撮影やSNS投稿を楽しみましょう。